クレジットカード審査のスコアリングについて
クレジットカード審査には、スコアリングと呼ばれるシステムが採用されています。
申込者の個人情報に点数をつけ、一定の点数(スコア)以上になると審査に通るといった仕組みですね。
今回はそのスコアリングが「どのような情報」によって「どのような方法で」点数をつけているのかをご紹介いたします。
スコアリングとは
各審査項目(属性情報)をもとに、加点方式で合否判定をしています。
クレジットカードで審査される項目はどのカード会社もほぼ同じ審査内容ですが、スコアリングの基準が違うため同条件でも合格ラインが異なります。下記はサンプルになりますが、
属性項目 | A社 | B社 |
---|---|---|
年収 | 10点 | 0点 |
年齢 | 5点 | 10点 |
勤務年数 | 10点 | 5点 |
雇用形態 | 5点 | 10点 |
既婚有無 | 5点 | 10点 |
居住形態 | 5点 | 0点 |
借入件数 | 0点 | 5点 |
借入額 | 0点 | 5点 |
合計 | 40点 | 45点 |
このように、年収で評価が高くても別項目に評価がついてこなければ意味がありません。大切なのは、総合力です。
あくまでスコアリングの審査基準は機械が判別できるものだけなので、自動審査のみで審査の可否をすべて行っているとは考えず、それとは別に審査する人がいることも考慮しておく必要があります。
基本的には加算方式といわれているので、「空白=0点」にならないために必須以外の項目もできる限り記入しましょう。項目欄が設けられている時点でクレジット会社が審査に必要な事項と解釈するべきです。
スコアリングによる審査項目
近年、コンピューターによる自動スコアリングシステムが広く採用されています。スコアリングの審査基準はカード会社やクレジットカードの種類によって様々ですが、一般的な「属性」として下記のような項目があります。
クレジットカードは年収が高いほど作りやすいと思いがちですが、あくまでスコアリングの1項目に過ぎません。年収だけで審査が決まると思わなくて大丈夫です。
例えば、パート・アルバイトの人が年収100万円未満の場合、年収の項目ではスコアリングの点数は低いですが、配偶者に収入がある場合に申込者が自由に使えるお金も多い解釈もできます。
「収入が安定している」と推測できる職業ほど高い点数がつく傾向があります。例えば、公務員・医者・弁護士・会社員などは収入が安定していて返済能力が高いとみなされやすいです。
一般的な企業の正社員では、勤務先の規模によって変わってきます。零細企業よりも上場企業のほうが信用度が高くなるわけですね。といっても、零細企業でも何らかの問題を抱えていなければ何の心配もありません。
逆に、自営業・パート・アルバイト・派遣会社などは比較的収入が不安定とみなされやすく、スコアリングの点数が低くなりがちと言われています。
会社経営者なら信用も高そうと勘違いしがちですが、年収1,000万円を超えていたとしても経営1年ではなかなか信用されません。
主婦の場合、上級カードなどでは一部制限されていたりしますが、クレジットカードの多くは世帯収入で申込できるのが一般的です。ただし、旧姓時代の延滞などは記録に残っていますので注意してください。
学生の場合、収入が低い(もしくはない)ので職業としての評価は高くないですが、社会人と違った基準で審査が行われるため最も通りやすい職業といわれています。
無職では基本的に審査に通りません。申込み資格の前提として「安定した収入」と明記されているクレジットカードが大半のため、収入証明ができない限りは審査に通ることはないでしょう。
勤務先の規模が大きいほど収入が安定していると推測できるため、スコアリングの点数は高めになります。会社の資本金・従業員数・設立年などから判断されるのが一般的です。
勤続年数は、長いほど収入が安定して返済能力が高いと推測できるためスコアリングの点数が高くなります。
10年以上勤めている場合は特に高い評価となり、1年未満だと低い評価になる傾向があります。ただし、新入社員は勤続年数が短くて当たり前ですので、1年未満だから絶対に審査が落ちるという理由にはならないので諦める必要はありません。
他社からの借入件数・金額が少ないほど返済能力が高いと推測できるので、スコアリングの点数が高くなります。目安として、借入金額が年収の3分の1を超える場合は審査に通りにくくなるといわれています。ただし、しっかり返済をしていて返済能力がある場合もあるので、一概にNGということではありません。
虚偽申告は絶対してはいけません。カード会社は、個人信用情報機関の照会を必ず行いますのですぐに事実が判明します。
単純に年齢制限に対する審査基準はありますが、それ以上に大切なのは「クレジットカードヒストリー(クレヒス)」です。
20代前半までは問題ありませんが、30代、40代と歳を重ねてクレジットカードヒストリーがないと「過去に何かあったのでは?」と警戒され、審査に落ちる原因となりやすいです。
また、過去に事故情報(ブラックリスト)があったとしても、年月の経過により解消され信用情報もクリアされます。それはつまり、今までクレジットカードを申込みしたことがない状態と同様になります。
住んでいる家が持ち家か賃貸かを評価対象としています。居住年数が長いほどスコアリングの点数が高くなります。ただし、居住年数という項目を設けていないカード会社もあるので、最近ではそこまで審査で重視されないといわれています。そのため居住年数が1年未満という理由だけで、審査に通らないということはありません。
家族と同居している人数や、結婚の有無もスコアリングの評価となっています。といっても、一概に独身だから評価が低くなるということではありません。結婚していても、自由に使える財産が少ない場合もあります。独身でも可処分所得が多く、自由に使える財産が多いという解釈ができるためです。